ただし、ロースクールやビジネススクールのように、大学での成績がそのまま卒業後の就職や収入にまで影響するようなムードのクラスだと、なかなかむずかしいらしい。
幸い、SIPAの学生はそんなにギスギスしていなくて、特に留学生には配慮してくれる人が多いから、とても助かる。
問題はむしろ、親切なアメリカ人が全員きれいな字を書くわけではないという方にある。
コロンビアのSIPAでは日本人が学生全体の1割を占めていたので、いろいろな形で助け合うことができるようであった。
これは欠点でもある。
つまり、ニューヨークでの日常生活はもとより、キャンパスの中でさえ、下手をすると日本語だけでも暮らしていけそうな感じになるので、英語の力を伸ばすにはあまりよい環境ではないからだ。
たいていの授業は講義方式で行われ、もちろん積極的に手をあげて発言する学生も少なくないのだが、聴講生は黙って聴いていれば済む雰囲気である。
しかし、クラスの人数が少なかったり、自分の職業と関連の深い分野だったりすると、教授は当然何らかの貢献を求めて聴講を許可するわけだし、いつも押し黙っていたのでは居心地が悪くなってくる。
私は春から始まった後期の二つの科目でそのような状況になり、ディスカッションへの参加を余儀なくされた。
1つは、イースターの週末の2日間を使って行われた1単位だけの授業で、「大統領とメディア」というタイトルの講座であった。
教授はワシントンのシンクタンクで働いている人である。
興味があったので行ってみると、クラスは小人数で、電話帳1冊くらいの資料を渡され、翌日の討論までに目を通しておくように言われた。
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